ニューコンミートとコンビーフはどう違う?馬肉入りって本当?
「ニューコンミート」はコンビーフとはどう違うんだろう?馬肉入りって本当?!
ニューコンミートは馬肉入りらしいけど、味はコンビーフとどう違うの?どうやった食べたらよい?

スーパーの売り場を見ると、「コンビーフ」の近くに「ニューコンミート」が並んでいるのを見かけます。

ニューコンミートは見た目はコンビーフとそっくりですが、実はニューコンミートには馬肉が使用されていることが特徴です。

馬肉が入ったニューコンミートの味や食感はコンビーフとどのように違うのでしょうか。また、コンビーフと同じように食べられるのでしょうか。この記事では、馬肉が入っているというニューコンミートの味の特徴やおすすめの使い方などについてご紹介します。

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「ニューコンミート」は馬肉がメインって本当?!コンビーフとどう違うの?

「ニューコンミート」は馬肉がメインって本当?!コンビーフとどう違うの?

「コンビーフ」と「ニューコンミート」。スーパーで並んでいる商品を見ると、形状はそっくりですがいちばんの違いは価格です。ニューコンミートはコンビーフよりもずいぶん安いですが、その理由は使われている原料にあります。

「コンビーフ」と「ニューコンミート」の違いは原材料にあり!

コンビーフとニューコンミートは何が違うのか?その答えは原材料を見ると一目瞭然です。ノザキのコンビーフとニューコンミートの原材料を比べてみましょう。

ノザキのコンビーフの原材料

牛肉(オーストラリア又はニュージーランド又はその他)、牛脂、植物油(大豆を含む)、食塩、ゼラチン、砂糖、寒天/カゼインNa(乳由来)、調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)

ノザキのニューコンミートの原材料

食肉(馬肉(ブラジル、メキシコ)、牛肉)、牛脂、植物油(大豆を含む)、ゼラチン、食塩、寒天、砂糖、香辛料/カゼインNa(乳由来)、調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)

2つの原材料を比べてみると一目瞭然ですね。コンビーフに使用されている肉は牛肉のみ。それに対し、ニューコンミートに使用されている肉は馬肉と牛肉です。

原材料表示は、使用している割合の多い順に書く決まりがあります。つまり、ニューコンミートは牛肉よりも馬肉の方が多く使用されていることがわかりますよね。

「ニューコンミート」は馬肉が主体の肉加工品

実は、「コンビーフ」という名称は、牛肉100%のものにしか使用できないことがJAS法(日本農林規格等に関する法律)で決まっています。

食肉を塩漬けにしてから加熱してほぐしたり調味したりした食品を「コーンドミート」といい、コンビーフもニューコンビーフもコーンドミートの一種です。

JAS法によるコンビーフとニューコンミートの違い

コンビーフ:

コーンドミートのなかでも、牛肉のみを使用したもの

ニューコンミート:

コーンドミートのなかでも牛肉と馬肉を併用し、かつ牛肉の割合が20%以上のもの

つまり、「ニューコンミート」という名前が付いている商品は、馬肉が8割、牛肉が2割の塩漬け肉の加工品ということになり、馬肉がメインで使用されているということになります。

ニューコンミートに馬肉が使わている理由とは?

では、なぜニューコンミートには馬肉がメインに使われているのでしょうか。

戦後間もない1948年(昭和23年)、野崎産業(現・川商フーズ)が日本で初めて国産のコンビーフを製造しました。これが「ノザキのコンビーフ」の始まりです。

しかし、当時のコンビーフは庶民が気軽に買えるような価格ではなかったそうです。そこで、低価格なコンビーフを提供したい!というコンセプトによって、1961年に牛肉よりも価格が安い馬肉を使用して価格の安い「ニューコンビーフ」が発売されたことが始まりです。その後、法律が変わったことにより「ニューコンミート」と呼ばれるようになりました。

現在でも、ノザキのコンビーフは80g入の缶で430円前後、ニューコンミートは300円前後で、ニューコンミートの方が100円以上安い価格で販売されています。

ニューコンミートに競走馬の肉が使われているって本当?!

余談ですが、引退した競走馬は馬肉になってコンビーフ(コーンドミート)や馬刺しとして食べられるのか?という疑問がインターネット上やSNS上で繰り広げられていますが、実際はどうなのでしょうか?

東京新聞の記事(※)によると、2021年に引退した競走馬は約7割が乗用馬や繁殖馬として引き取られたそうですが、残りは所在が不明で殺処分された可能性が高いようです。

また、常用馬などとして引き取られた馬も、その後どうなったかという実態は把握されていないようです。馬の飼育にはエサ代などに多額の費用がかかるため、引退した競走馬の多くは食用として殺処分されていることが現実のようです。

引退した競走馬の余生を支援しようとする動きも各方面で行われているようですが、現実的にはなかなか厳しいようですね。

※参考文献:

東京新聞web,2023年2月28日,”競走馬、引退したら…余生を支援、機運高まる 高い飼育費、課題は山積”

馬肉主体のニューコンミートと牛肉だけのコンビーフ!味や食感に違いはある?

馬肉主体のニューコンミートと牛肉だけのコンビーフ!味や食感に違いはある?

ニューコンミートはコンビーフと比べると価格が安いことがメリットです。ニューコンミートは馬肉がメインに使用されていますが、コンビーフと比べると味や食べ方に違いはあるのでしょうか?

ニューコンミートとコンビーフの見た目の違いは?

ニューコンミートは馬肉をメインとして牛肉と牛脂が混ぜられているのに対し、コンビーフは牛肉に牛脂を混ぜて作られています。見た目にはどのような違いがあるのか、両者を比較してみましょう。

コンビーフは繊維が細かく全体的に均一であるのに対し、ニューコンミートは繊維が粗く、見た目にも明らかに二種類の肉が混ざっているように見えます。

また、コンビーフは全体的に濃いピンク色で、ニューコンミートは赤茶色っぽい色です。

また、原材料を見てわかるように、ニューコンミートにはコンビーフには使用されていない香辛料が入っています。ニューコンミートがコンビーフよりも茶色っぽいのは、香辛料の影響もありそうですね。

ニューコンミートとコンビーフの味や食感の違いは?

では、馬肉が主体のニューコンミートと、牛肉のみのコンビーフの味や食感はどのような違いがあるのでしょうか。

食感を比べてみると、見た目の通りニューコンミートの方がやや繊維が粗い感じがあります。それに対し、コンビーフは繊維自体をそれほど感じず、口の中で柔らかくほどけていくような感覚です。

では味はどうでしょうか。牛肉と牛脂が混ざっているコンビーフは、牛肉の風味や旨味がしっかりと感じられます。牛肉の加工品であることがよくわかります。

それに対し、ニューコンミートは、肉の味そのものはコンビーフよりもややあっさりしている印象です。しかし、香辛料によって味が濃いめに付けられているためか、全体的な味はコンビーフよりもやや濃いめに感じます。

ニューコンミートがコンビーフよりあっさりしている理由は?

約8割を馬肉が占めるニューコンミートと国産牛ではなく海外産ではあるものの牛肉のみのコンビーフの味の違いは、馬肉と特徴と牛肉の特徴の違いであると言えますよね。

一般的に、牛肉が濃厚な旨味であるのに対し馬肉がさっぱりとした旨味であると言われています。また、馬肉は牛肉よりも脂が少なくあっさりとしていることも特徴のひとつです。

参考までに、ノザキのニューコンミートとコンビーフの1缶(80g)あたりの栄養成分の違いを見てみましょう。

栄養成分ニューコンミートコンビーフ
エネルギー(kcal)151172
たんぱく質(g)15.916.2
脂質(g)9.411.6
炭水化物(g)0.60.7
食塩相当量(g)1.31.2

コンビーフの脂質が11.6gであるのに対し、ニューコンミートの脂質は9.4g。ニューコンミートの脂質はコンビーフよりも約25%少ないことがわかります。その分、カロリーもやや低めですね。

やはり、ニューコンミートは原料の馬肉の風味自体がさっぱりとしている上に、脂質の量が少ないためにコンビーフよりもあっさりとした味わいであると言えそうです。

また、両者とも食塩相当量はほとんど変わらないので、ニューコンミートの味の濃さは香辛料に由来するものと言えるでしょう。

ニューコンミートとコンビーフの味の差はそんなに違うもの?

牛肉に牛脂を混ぜて作られたコンビーフと、馬肉をメインに牛肉・牛脂を混ぜて作られたニューコンミート。世間の人は、両者の味の違いをどのように感じているのでしょうか。

ニューコンミートはコンビーフよりもあっさり、さっぱりしていると感じている人が多いようですね。コンビーフよりも脂っぽくないのでニューコンミートの人が好みだという人も多いようです。

もともと、コンビーフを安い価格で味わえるように開発されたニューコンミートですが、コンビーフの廉価版というよりもむしろまったく別の食べ物として親しまれているようですね。

一方で、ニューコンミートとコンビーフの味の違いがよくわからないという人も多いようです。

ニューコンミートをコンビーフと比較してみると、馬肉が多い分脂っぽくなくてあっさりとしていると感じることはあっても、何も知らずにどちらか一方を出されると、ニューコンミートなのかコンビーフなのか区別が付きにくいかもしれませんね。

馬肉メインのニューコンミート!コンビーフと同じような食べ方はできる?

馬肉メインのニューコンミート!コンビーフと同じような食べ方はできる?

ニューコンミートは馬肉がメインに使われていますが、コンビーフよりも脂肪が少なくあっさりめで、香辛料でコンビーフよりもしっかりとした味付けがされています。

ですから、風味は多少違うものの、基本的にはニューコンミートもコンビーフと同じような食べ方が可能です。ここからは、ニューコンミートのおすすめの食べ方についてご紹介します。

「ニューコンミート×ごはん」のおすすめの食べ方

コンビーフのいちばん人気の食べ方といえば、コンビーフ丼ではないでしょうか。熱々のごはんにコンビーフを乗せて、お好みで卵やわさびなどを乗せて食べる方法です。”ちいかわ”の漫画の中にも登場して話題になっていますよね。

コンビーフは熱々ごはんにとてもよく合いますが、ニューコンミートで丼を作ってもとてもおいしく食べられます。

ニューコンミートは馬肉がメインで使用されている分、脂っぽくなくさっぱりと食べられます。コンビーフの脂っぽさが苦手という人はニューコンミートで試してみてもよいかもしれません。

牛肉の旨味をしっかりと味わいたい人はコンビーフ、サッパリとした風味が好みの人はニューコンミートと使い分けてもよいですね。

濃いめの味を活かしたチャーハンやおにぎりもおすすめ!

ニューコンミートは馬肉が主原料なので、香辛料でしっかりめに味が付けられています。コンビーフよりやや濃いめの味を利用して、チャーハンの具材にする方法もおすすめです。

ニューコンミートは味がしっかりと付いているので、鶏ガラスープの素や塩などをそれほど入れなくてもチャーハンに旨味とコクが出ておいしくなります。

また、濃いめの味を活かしておにぎりにする方法もおすすめです。細切りにした大葉やごまといっしょにごはんに混ぜるととてもおいしいですよ。

「ニューコンミート×パン」の組み合わせもおすすめ

コンビーフはパンともとても相性が良いですよね。香辛料でしっかりと味が付いたニューコンミートもパンにとてもよく合います

ニューコンミートは馬肉が主体ですが、パンに合わせるとほとんど馬肉を感じることなく、コンビーフと同じような感覚で食べられます。

野菜やマヨネーズとともにサンドイッチにしても良し。また、チーズやキャベツ・たまねぎなどと合わせてホットサンドにする方法もおすすめです。

コンビーフよりも安く買えますし、コンビーフよりもカロリーが低いので、罪悪感なく食べられる点もうれしいですよね。

調味料は少なくてもOK!料理の材料にもおすすめ!

ニューコンミートは馬肉主体ですが、コンビーフと同じような感覚で料理の材料としても使い勝手の良い食材です。数年保存が効く保存食でもあるので、家にストックしておくと便利です。

ウインナーやベーコンと同じようにさまざまな料理に使えますが、特におすすめは野菜と炒める方法です。

いっしょに炒める野菜は、もやし、キャベツ、たまねぎ、じゃがいも、ピーマン、ブロッコリーなど野菜は何でもOK。ニューコンミートにしっかりと味が付いているので、調味料をそれほど足さなくても馬肉の旨味と野菜の旨味が合わさって簡単においしく作れます。また、コンビーフよりも安価なので節約食材としてもおすすめです。

スーパーやネットで買える!馬肉入りのコンビーフ!「ニューコンミート」3選!

スーパーやネットで買える!馬肉入りのコンビーフ!「ニューコンミート」3選!

馬肉入りのニューコンミートは複数のメーカーから発売されています。スーパーやインターネットで手軽に購入できるニューコンミートを3商品ご紹介します。

川商フーズ『ノザキ ニューコンミート』

1961年に、手頃な価格でたくさんの人に食べてほしいと、日本で最初に馬肉を使って製造販売されたニューコンミートがノザキのニューコンミートです。スーパーでもよく見かけますよね。ノザキのコンビーフとともに多くの愛用者がいるノザキの定番商品のひとつです。

ノザキのコンビーフと同様に、ニューコンミートも2020年に巻き取り棒で開ける枕缶から、アルミ箔の容器に代わり開けやすくなりました。

K&K 国分のニューコンミート

国分のコンビーフもファンが多いですよね。国分のコンビーフはオーストラリア産のほぐし肉に黒毛和牛の牛脂を混ぜてあることが特徴ですが、馬肉を使用したニューコンミートも同様に黒毛和牛の牛脂を混ぜています

原材料名

食肉(馬肉(アルゼンチン)、牛肉)、牛脂、ゼラチン、食塩、寒天、砂糖、香辛料/調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(V.C)、発色剤(亜硝酸Na)

栄養成分(1缶80g当たり)

エネルギー:154kcal、たんぱく質:14g、脂質:10.5g、炭水化物:0.8g、食塩相当量 1.2g

ノザキのニューコンミートよりも脂質の量とカロリーが少しだけ高めですね。

2020年のリニューアルで、容器が枕缶から、アルミ箔と特殊なシートを貼り合わせた密閉性の高いアルミック缶に変更になりました。新鮮さが保てることが特徴で、賞味期限も長くなり3年6ヶ月となりました。

明治屋『ニューコンミート スマートカップ』

コンビーフの以前の枕缶から使いやすいアルミ箔+プラスチックの容器に、2012年にいち早く変更したメーカーが明治屋です。ノザキや国分のニューコンミートの容器は電子レンジ不可ですが、明治屋の「スマートカップ」はそのまま電子レンジでも温められることが特徴です。

原材料名:

食肉(馬肉、牛肉)、牛脂、食塩、ゼラチン、砂糖、エキス調味料、香辛料、カゼインNa、増粘多糖類、調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)、(原材料の一部に乳成分、小麦、大豆を含む)

栄養成分(1缶80g当たり)

エネルギー:154kcal、たんぱく質:16.2g、脂質:9.1g、炭水化物:1.7g、食塩相当量 1.4g

明治屋のニューコンミートは、馬肉に加えて赤身の牛肉を使用していることが特徴です。脂質は他のニューコンミートよりもやや少なめですが、炭水化物が若干多いためカロリーは他の2商品と同じくらいですね。

まとめ:ニューコンミートは馬肉が主体でコンビーフよりもあっさり派!

コンビーフによく似たニューコンミート。違いは使用している肉の種類です。コンビーフは牛肉のみを使用しているのに対し、ニューコンミートは馬肉を主体として2割ほどの牛肉を混ぜて作られています。

馬肉と聞くとクセが強そうなイメージがあるかもしれませんが、実はそうでもありません。

もともと、馬肉は牛肉よりも脂肪分が少なくさっぱりとした旨味が特徴なので、ニューコンミートもコンビーフよりもあっさりとしています。また、多少のクセは香辛料でカバーされているので、コンビーフに比べると少しだけ味も濃いめです。

馬肉を使っていると聞くと「安物」のイメージがあるかもしれませんが、コンビーフよりも脂肪が少なくサッパリとしたおいしさを好む人も多くいます。コンビーフよりも価格がかなり安い点も魅力ですよね。コンビーフと同じような食べ方ができるので、ぜひ一度試してみてくださいね。

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