高血圧などの生活習慣病の予防や改善のために、オートミールを食べる場合も塩分の摂り過ぎが気になる人も多いのではないでしょうか。
オートミールは特有のクセがあるので、特に米化して白ごはんの代わりに食べるとクセが気になってしまうことがあります。そのため、しっかりと味付けをした方が米化したオートミールは食べやすくなりますが、そうすると塩分の摂り過ぎが気になってしまいますよね。
そこで、この記事では、塩分を控えてもオートミールのクセが気にならずにおいしく食べるためのコツや、おすすめのオートミールの減塩レシピをご紹介します。
Contents
塩分控えめでも米化オートミールをおいしく食べるポイントを伝授!
生活習慣病の予防のためには減塩が大切ですが、塩分を控えめにすると味が薄くなって米化したオートミールのクセを感じやすくなったり、料理の味自体が物足りなく感じたりすることも多々あります。
しかし、いくつかのポイントを押さえておくと、味の物足りなさをなくしつつ上手に塩分を控えることが可能です。最初に、米化したオートミールを食べる場合に、上手に塩分を控えるポイントをご紹介します。
オートミール料理の塩分対策その1:加工品の使用には注意が必要
オートミールを使った料理の塩分を控えるためには濃い味付けを控えるのはもちろん大切ですが、塩分が多めの食材の使用を控えることも大切です。
塩分が多めで注意したい食材として、ハムやベーコンやウインナーソーセージなどの食肉加工品、かまぼやちくわなどの練り物製品、たくあんや梅干しやキムチなどの漬物などがあげられます。
これらの食材を使うと手軽に味のアクセントを加えられるのでオートミールが食べやすくなりますが、塩分過多になりがちなので注意が必要です。塩分が多めの加工食品を使う場合は調味料を減らすなどして塩分を調整するようにしましょう。
オートミール料理の塩分対策その2:だしや野菜のうま味を利用する
濃いめの味に慣れてしまっていると、塩分を控えめにした料理は物足りなく感じてしまいますよね。塩味の物足りなさをカバーしてくれる味が「うま味」です。
うま味は、塩味、甘味、酸味、苦味とともに料理の味を作り出す「基本味」のひとつで、主にアミノ酸や核酸という成分によるものです。代表的なうま味成分として、「グルタミン酸」、「イノシン酸」、「グアニル酸」があります。塩味とうま味には相互作用があり、薄い塩味にはうま味を引き立たせる作用があります。
つまり、オートミール料理を作る場合でも、うま味の多い食材を使えば、少ない塩分でもうま味との相互作用によっておいしく作れる。ということになります。
うま味成分の多い食材には、海藻、きのこ、魚介類、野菜、肉類、豆類、いも類、発酵食品などがあります。これらの食品をうまく活用しましょう。
顆粒だしは塩分が多めなので注意!
顆粒だしは、だしを取る必要もなく手軽に使えるので便利ですが、塩分が比較的多いため使用する際は注意が必要です。塩分を控えるには、食塩不使用のだしパックや減塩タイプの顆粒だしをできるだけ使うようにしましょう。
オートミール料理の塩分対策その3:スパイスや酢を活用する
うま味と同じように塩分控えめの味の物足りなさを補う方法として、スパイスやハーブの活用もおすすめです。
スパイスやハーブの風味やスパイシーさで米化したオートミールに味にアクセントを付けるだけでなく、いっしょに使う素材のおいしさを引き出す効果もあります。特に、こしょう、カレー粉、唐辛子、七味などは手軽に使えるのでおすすめです。
また、お酢も薄味の物足りなさをカバーしてくれる調味料です。酸味は味を引き立てる効果があるので、少ない塩分でも料理全体の味を引き立ててくれます。
また、酢には高めの血圧を下げる、血糖値の上昇を抑える、脂肪抑制など生活習慣病を予防する効果も期待できるので一石二鳥ですね。
オートミール料理の塩分対策その4:下味よりも表面の味で勝負!
肉や魚を調理する場合に、塩やしょうゆなどで下味を付けますよね。これは、塩やしょうゆの塩分によって肉や魚の水分を抜いて味を染み込ませやすくする効果がありますが、どうしても摂取する塩分は増えてしまいます。
塩分を控えたい場合は肉や魚に下味を付けるのではなく、表面に味を付けて味を感じやすくしましょう。例えば、でき上がってから塩をふったり、照り焼きにしたりして表面に味を付けるようにします。煮込み料理の場合でも素材に味を染み込ませるのではなく、あんかけにして味をからませることで塩分を控えられます。
これらの方法は米化したオートミールで丼を作る際などに役立つテクニックなので覚えておくと便利です。
オートミール料理の塩分対策その5:減塩調味料や減塩食材を使用する
食品の塩分は、食品中のナトリウムの量を食塩量に換算した「食塩相当量」で表されます。多くの食品に多少なりとも食塩相当量は存在しますが、なかでも圧倒的に多いのが塩味系の調味料です。
食塩、しょうゆ、味噌をはじめ、顆粒だし、固形ブイヨンやコンソメ、鶏ガラスープ、ドレッシング、ポン酢しょうゆ、麺つゆ、すし酢、ソースなどは塩分が比較的多く含まれています。また、カレーやシチューのルーの塩分も比較的多めなので注意しましょう。
これらの調味料には減塩商品が多く販売されています。塩分控えめのオートミール料理を作りたい場合は、減塩調味料や減塩食材を上手に利用するようにしましょう。
ごはんのお供も減塩で!
米化したオートミールを白ごはんの代わりに食べる場合にクセを抑えて食べやすくするために、いわゆる”ごはんの供”といっしょに食べることもありますよね。生活習慣病予防のために塩分を控えたいのであれば、ごはんの供も減塩タイプを選ぶようにするとよいですね。
オートミール料理の塩分対策その6:カリウムと食物繊維をたくさん食べる
カリウムや食物繊維には、余分な塩分を体外に排泄する働きがあります。健康のために塩分を控えることに加え、カリウムや食物繊維をしっかりと摂取して、余計な塩分を体の外に出すことも大切です。
野菜、いも類、豆類、海藻類はカリウムと食物繊維を豊富な食材が多いため、しっかりと食べましょう。オートミールも食物繊維が豊富な食材ですが、オートミールだけでは必要量に全然足りません。オートミールで料理を作る場合にもこれらの食材をたっぷりと使うようにしましょう。
食物繊維は慢性的に不足しがちなのでしっかりと取る必要がありますが、特に水溶性食物繊維は意識的に摂る必要があります。水溶性食物繊維は、海藻類、納豆、オクラやモロヘイヤ、根菜類など粘り気のある食材に多く含まれています。
塩分控えめでも米化オートミールがおいしい!おすすめ減塩レシピ6選
オートミールを米化して食べる場合はクセをダイレクトに感じやすくなります。クセを隠すためにはしっかりとした味付けをすると食べやすくなりますが、濃い味漬けは塩分を摂り過ぎてしまうリスクがありますよね。
そこで、塩分控えめでも米化したオートミールのクセをカバーしておいしく食べられるおすすめのレシピを6つご紹介します。
香辛料とだしで塩分をカバー!オートミールの減塩マーボー丼
味がしっかりと付いていてピリ辛の麻婆豆腐は、オートミールのクセを消すためにうってつけの料理ですよね。塩分が多めの鶏ガラスープの代わりに和風のだしを使い、豆板醤ではなく香辛料で辛さを出した塩分控えめのオートミールマーボー丼をご紹介します。
【材料】(1人分)
オートミール 40~60g
水 オートミールの倍量
豚ひき肉 60g
長ねぎ 10~15cm
豆腐 100g
おろしにんにく 1cm程度
唐辛子(鷹の爪) 1本
花椒パウダー 小さじ1/2
ごま油 大さじ1
だし汁 120cc
☆おろししょうが 小さじ1
☆甜面醤 小さじ1
☆しょうゆ 小さじ1
☆砂糖 小さじ1
☆酒 大さじ1
水溶き片栗粉 適量
青ねぎの小口切り 適宜
【作り方】
1.長ねぎはみじん切りにしておく。豆腐は食べやすい大きさに切っておく。
2.フライパンにごま油、おろしにんにく、とうがらし、山椒を入れて火をつけ、弱火で加熱して油に香りを移す。
3.香りが立ってきたらひき肉を入れて炒め、長ねぎを入れてさらに炒める。
4.3にだし汁と☆の調味料を加え、一煮立ちしたら豆腐を入れる。
5.しばらく加熱したら水溶き片栗粉でとろみを付けて、一煮立ちさせて火を消す。
6.丼に米化したオートミールを盛り、その上に麻婆豆腐をかけ、お好みで青ねぎを乗せる。
【オートミールの米化の方法】
1.耐熱容器にオートミールと水を入れて5分程度放置してふやかす。
2.ラップをかけずに600wの電子レンジで1分30秒加熱する。
3.電子レンジから取り出し、箸で軽くかき混ぜて粗熱を取り、余計な水分を飛ばす。
【ポイント】
・塩分を控えるために顆粒だしはできるだけ使わず、だしパックで取るようにしましょう。
・唐辛子と花椒パウダーはお好みで加減してください。
・花椒パウダーの代わりに粉山椒を使ってもよいですが、辛さはややマイルドになります。
サバのうま味としょうがで減塩!塩分控えめオートミールのサバ缶のっけ丼
サバ缶を使った超簡単なオートミールのサバのっけ丼のご紹介です。サバ缶にはサバのうま味がたっぷりと詰まっているので、少ない塩分でもおいしく仕上がります。しょうがをアクセントに使うことで全体の味を引き立てます。
【材料】(1人分)
オートミール 40~60g
水 オートミールの倍量
サバ水煮缶 1/2缶
☆おろししょうが 小さじ1/2~1
☆しょうゆ 小さじ1/2
☆みりん 小さじ1/2
☆ごま油 小さじ1/2
☆酒 大さじ1
☆片栗粉 小さじ1~2
薬味(青ねぎの小口切り、大葉の千切り、刻み海苔など) 適量
白ごま 適量
【作り方】
1.オートミールは米化しておく。
2.サバの水煮缶は具と汁に分けておく。
3.タレを作る。耐熱容器に水煮缶の汁と☆を入れ、600wの電子レンジで40分加熱し、一旦取り出して混ぜてさらに20秒加熱してよく混ぜておく。
4.丼に米化したオートミールを盛って3のタレをかけ、その上に軽くほぐしたサバ缶、薬味、白ごまを乗せる。
【ポイント】
・減塩タイプや食塩不使用のサバの水煮缶を使うとさらに塩分を抑えられます。
・しょうがはお好みで加減してください。
カリウムたっぷりで塩分排出!オートミールの減塩タコライス
沖縄のご当地料理タコライスもオートミールによく合います。スパイシーなチリパウダーで塩分控えめでもおいしく食べられ、オートミールの独特のクセをカバーしてくれます。また、アボカド、トマト、サニーレタスを入れることでカリウムもしっかりと摂れるの、塩分が気になる人におすすめのレシピです。
【材料】(1人分)
オートミール 40~60g
水 オートミールの倍量
豚ひき肉 80g
たまねぎ 1/4個
チリパウダー 小さじ1
ブラックペッパー 適量
☆トマトケチャップ 大さじ1
☆ウスターソース(中濃ソース) 小さじ1
サニーレタス 大1枚(約30g)
トマト 1/2個
アボカド 1/4個
ピザ用チーズ(粉チーズ) 適量
オリーブオイル 大さじ1
おろしにんにく 1cmくらい
【作り方】
1.たまねぎはみじん切りに、トマトとアボカドは1.5cm角に切っておく。サニーレタスは小さくちぎっておく。
2.タコミートを作る。フライパンにオリーブオイルとおろしにんにくを入れて中火にかけ、香りが立ってきたらひき肉を入れて炒める。
3.ひき肉に火が通ったらみじん切りのたまねぎを加えて炒め、チリパウダーを入れてさらに炒めて香りを出す。
4.☆を入れて水分がなくなるまでしっかりと炒め、ブラックペッパーを入れてよく混ぜる。
5.オートミールは米化しておく。
6.皿にオートミールを盛り、タコミート、野菜を乗せ、上からチーズをかける。
【ポイント】
・タコミートをおいしく仕上げるには、水分がなくなるまでしっかりと炒めることがポイントです。
・お好みでサルサソースやホットソースをかけて食べてもよいでしょう。
水溶性食物繊維で塩分排出!オートミールの韓国風納豆ユッケ丼
マグロと相性の良い納豆をピリ辛の韓国のユッケ風に仕上げたオートミール丼です。マグロのうま味とタレをピリ辛風味にすることで塩分控えめでも物足りなさを感じずにおいしく食べられ、オートミールのクセもカバーしてくれます。
水溶性食物繊維豊富なオクラと納豆をたっぷりと加えることで、余分な塩分を排泄する効果も期待できます。
【材料】(1人分)
マグロの刺身 100g
☆しょうゆ 小さじ1
☆みりん 小さじ2
☆コチュジャン 小さじ1
☆おろしにんにく 1cmくらい
☆おろししょうが 小さじ1/2
白ごま 小さじ1
ごま油 小さじ1
オクラ 4本
卵黄 1個
薬味(青ねぎ、大葉、白ごま、刻み海苔など)適宜
【作り方】
1.耐熱容器に☆の調味料を入れてよく混ぜ、600wの電子レンジで50秒加熱し、ごま油と白ごまを加えてよく混ぜて冷ましておく。
2.マグロは食べやすい大きさに切り、冷ました1タレで和えておく。
3.オートミールを米化しておく。
4.オクラは熱湯で1分茹で、小口切りにして冷ましておく。
5.納豆は添付のタレの半分をかけておく。
5.丼に米化したオートミールを盛り、2で和えたマグロと冷ましたオクラと納豆を乗せ、中央に卵黄を乗せ、お好みで薬味を乗せる。
【ポイント】
・塩分をもっと減らしたい場合は減塩しょうゆを使うか、納豆のタレを省きましょう。
人気の台湾メシをヘルシーに!塩分控えめオートミール魯肉飯(ルーローハン)
台湾グルメの定番メニューの魯肉飯。味が濃いめのイメージがあるかもしれませんが、スパイスとフライドオニオンを入れることで香りとコクが出て、塩分少なめでも物足りなさを感じません。八角と五香粉の風味でオートミールのクセも気にせずに食べられます。
【材料】(1人分)
オートミール 40~60g
水 オートミールの倍量
豚肉かたまり 100g
おろしにんにく 少々
おろししょうが 小さじ1/2
八角(スターアニス) 1個
砂糖 小さじ1
酒 小さじ2
☆水 120cc
☆酒 大さじ1
☆しょうゆ 小さじ1
☆オイスターソース 小さじ1
☆酢 小さじ1
フライドオニオン 大さじ1
オイスターソース 小さじ1
五香粉 少々
半熟卵 1個
青梗(チンゲン)菜 1/2株
油 小さじ1
【作り方】
1.豚肉は幅・厚さ1cmくらいに切る。青梗菜は熱湯で1分程茹でて水にさらして水気を切る。
2.フライパンに油を熱して1の豚肉を中火で炒め、キッチンペーパーで油を取りながら全体が色付くまで炒める。
3.おろしにんにく、おろししょうが、八角を加えて香りが立つまで炒める。
4.砂糖を加えて炒め、全体がなじんだら☆を入れてアクを取りながら弱火で15~20分ほど煮込む。
5.フライドオニオン、五香粉、オイスターソースを入れて、弱火でさらに5~10分程度全体にとろみが出るまで煮込む。
6.丼に米化したオートミールを盛り、5の肉、青梗菜、半熟卵を乗せる。
【ポイント】
・塩分をさらに控えたい場合は減塩しょうゆを使ってください。
・豚肉を20分ほど煮込む際に水分が減ってきたら、水分がなくならないように足しながら煮込んでください。
減塩でもコクがたっぷり!塩分控えめオートミールのバターチキンカレー
カレーはオートミールのクセをカバーするのにうってつけの料理ですが、市販のカレールーを使うと塩分が多めになってしまいます。そこで、カレー粉を使って塩分控えめのバターチキンカレーにしてみましょう。
味噌と乳製品を加えることでしっかりとコクが出るため、少なめの塩分でもおいしく食べられます。
【材料】(1人分)
鶏もも肉 1/2枚
たまねぎ 1/4個
しめじ 1/4パック
オリーブオイル 大さじ1
おろしにんにく 1cm
おろししょうが 小さじ1/2
カレー粉 大さじ1/2
☆カットトマト缶 1/4缶(100g)
☆コンソメ顆粒 小さじ1/2
☆味噌 小さじ1
☆砂糖 小さじ1
プレーンヨーグルト 50g
牛乳 50cc
バター 10g
【作り方】
1.鶏肉は食べやすい大きさに切り、たまねぎは薄切りにする。しめじは軸を切って小分けにしておく。
2.フライパンにオリーブオイル、おろしにんにく、おろししょうがを入れて火にかけ、香りが立ってきたら鶏肉を焼く。
3.鶏肉に焼き色がついたら、たまねぎとしめじを加えて炒める。
4.カレー粉を加えて全体になじませるように炒め、☆を加えて弱火で7~8分煮込む。
5.プレーンヨーグルトと牛乳を加え、沸騰させないようにしてとろ火で2~3分煮込み、バターを加えて火を止める。
6.オートミールを米化する。
7.皿に米化したオートミールを盛り、カレーのルーをかける。
【ポイント】
・プレーンヨーグルトを使わずに全量を牛乳や豆乳に変えてもよいでしょう。その場合、ややマイルドな味わいになります。
・辛さを足したい場合は、にんにくやしょうがといっしょに唐辛子(鷹の爪)を1本オリーブオイルに加えてください。
まとめ:塩分を控えながら米化したオートミールをおいしく食べよう!
オートミールを米化して食べる場合に、特有のクセが気になってしまう人もいますよね。オートミールのくせをできるだけ感じないようにするには、しっかりした味付けで食べるとよいですが、そうすると塩分の摂り過ぎが気になりますよね。
逆に、塩分を控えるとオートミールのクセが気になったり、味に物足りなさを感じたりするのではないかと思うかもしれませんが、味付けや調理方法に少し工夫をすることで、塩分を控えつつも米化したオートミールをおいしく食べられます。
今回ご紹介したレシピはほんの一部で、ポイントさえ押さえておけばいろいろなアレンジも可能です。健康のためにも、ぜひ試してみてくださいね。