魚突きスピアフィッシングの銛(もり)の選び方【銛先の違いも解説】
のん
魚突きスピアフィッシングをするための銛を買おうと思ったけれど、銛の形状も色々あって選ぶのが難しい…。どれを選べばいいんだろう?

本記事では、そんな疑問に答えます。

筆者は、魚突きスピアフィッシング歴3年ほどです。これまで、4~50cm程の魚を色々と突いてきました!(黒鯛、メバル、舌平目、イサキ、その他色々)

そんな筆者の経験から、この銛(銛先)をもっておけば大丈夫、と思える銛をご紹介していきたいと思います。

魚突きスピアフィッシングの銛(もり)の選び方

魚突きスピアフィッシングの銛(もり)の選び方

銛選びでは、2つのポイントに注意する必要があります。1つが「銛の長さ(銛先からグリップエンドまで)」、もう1つが「銛先の形状(魚に刺さる部分の形状)」です。

それぞれについて、解説をしていきます。

魚突きスピアフィッシングでは、「銛の長さ」が重要です

魚突きスピアフィッシング用の銛の長さは、狙いたい魚のサイズと潜る深さによって決める、が正解です。

というのも、銛は長くなればなるほど、射程距離が伸びますので、警戒心の強い大型魚を遠くから狙いやすくなりますが、その反面、水の抵抗も大きく水中で動かすことが困難となるため、小さな標的(魚)を打ち抜くことは難しくなるからです。

じゃあ、具体的にどのくらいの長さの銛が、どのサイズの魚に適しているのか、ということですが、深さ5m程度までであれば、2~3メートルほどの長さの銛がどのサイズの魚に対しても使い勝手がいいです。

このくらいの長さの銛であれば、ゴムを引いて手にかけた状態で、手から銛先までが1~2メートルほどの長さとなりますので、ちょうど魚を狙いやすい距離感になります。

これより長い銛は、狙いを定めにくくなるため、30cmを下回るような魚は突きにくくなります。2~3メートルの銛が万能ですので、迷ったらその長さの銛を選ぶことをおすすめします。

魚突きスピアフィッシングでは、「銛先の形状」も重要です

銛先の形状については、とりあえず「チョッキ銛」と呼ばれるものをもっておけばOKです!

銛先の形状には色々と種類がありますが、魚を狙いやすく、かつ逃しにくい丁度よいバランスの万能型の銛先が「チョッキ銛」です。※銛先の個別の解説は次項でさせていただきます。

厳密に、銛先の形状を選ぶとなると、これもまた狙いたい魚のサイズによって変わってきます…。

例えば、40~50cmオーバーのような大きな体の魚に対して、刺さりやすさ・狙いやすさを重視してしまうと、折角突けたのに銛先が魚から外れて逃げてしまった(あるあるです(笑))、ということにもなりかねません。

逆に、耐久性の高い、しっかりと魚に打ち込んで、先端の返しでホールドするようなタイプの銛先は、小さい体の魚に対しては大きすぎて、刺さったとしても魚の身を過度に壊してしまったり、身が千切れて逃がしてしまったり、とこれもまたよくありません。

ただ、小さいサイズ、大きいサイズ、どちらかの魚しかいない海というのはありませんので、そのどちらも狙えるバランスのよい銛先(これが「チョッキ銛」です)をもっておくのが、一番コスパがいいといえます。

ですので、これから魚突きスピアフィッシングを始めたい!という方は、2~3メートル&チョッキ銛のセットモデルを購入するのが、おすすめです。間違いない。

魚突きスピアフィッシングの銛先の違いを解説

魚突きスピアフィッシングの銛先の違いを解説

銛先は以下に紹介するもの以外にも色々とありますが、代表的なものを押さえておけばOKです。

考慮する点は3つ。「耐久性」、「ホールド力」、「発射速度」です。

「耐久性」は、銛先の強度(長期間の使用に耐えられるか)のこと、「ホールド力」は、銛先が魚に刺さった後、逃げられずにしっかりとキープできるかということ、「発射速度」は、銛先を打ち込んでから魚に向かうまでの速度のこと、です。

それぞれについて、解説をしていきます。

魚突きスピアフィッシングの銛先 その1:パラライザー

三つ又になっている形状の銛先が「パラライザー」です。

三つ又になっている形状の銛先が「パラライザー」です。

このタイプの銛先の特徴は、「耐久性が高い」こと。銛で何度も突いていると、誤って岩を突いてしまうことも少なくないんですが、そういった場合でも破損がしにくく、長く使えます。

また、狙える魚の幅も広いのが特徴となりますが、ただ、個人的な感想を言うと、ホールド力は決して強くありません。写真を見て頂いたらわかると思いますが、銛先の返し部分が内側を向いているんですよね。そのため、折角魚に刺さっても返しがうまく機能せずに外れて逃げられてしまう、ということも多々あります。

岩場の多いところなどで使う万能型の銛先を探しているなら、「パラライザー」を選択肢に入れてもいいかと思います。

魚突きスピアフィッシングの銛先 その2:チョッキ

魚突きスピアフィッシングの銛先 その2:チョッキ

先端部分が可動式(外れて魚に刺さったまま泳がせられる)の銛先が「チョッキ」です。

このタイプの銛先の特徴は、「ホールド力が高い」こと。ホールド力は断トツです。また、魚のサイズも選ぶことなく、身の細い小さい魚(例えば、キス等)から、5~60cmといった大型魚まで全部これ1つで対応可能です。

ただ、欠点をあげるとすれば、耐久性が低い…。岩を突いてしまうと、銛先はすぐに壊れますし、繰り返し繰り返し使っていると、"可動式"部分に必要なゴムが劣化し千切れてしまうことも多々あります。少しでもコストを節約したいなら、しっかりとメンテナンスをして、壊れた銛先を研ぎなおしたり、ホームセンターでゴムの替えを買ってきて補修したりすれば長く使えるので、上記の欠点は目をつぶれるかも(?)しれません。

砂地でキスやヒラメ系を狙う際や、岩場で使う場合でも、突く強さを調節する(岩にきつく当たり過ぎないように加減する)際には、より使いやすい銛先といえます。

魚突きスピアフィッシングの銛先 その3:シングルウィング

魚突きスピアフィッシングの銛先 その3:シングルウィング

まっすぐ一本の返し付きの銛先が「シングルウィング」です。

このタイプの銛先の特徴は、「発射速度が速い」こと。写真のとおり、水の抵抗を受けにくい作りになっていますので、狙いをしっかりと定めれば、ズレることなく魚を突くことが可能です。対象魚は大型魚です。

というのも、このタイプの銛先は、返し部分も含めてしっかりと魚に刺すタイプの銛先ですので、小さい魚だと、その身に対して開く穴が大きすぎるため、身が崩れてしまったり、千切れて逃げられてしまったりするんですよね…(筆者も、過去何度か経験があります)。

(大型魚に対する)ホールド力は「チョッキ」よりは若干劣る程度、耐久性は「パラライザー」より若干劣る程度ですので、メンテナンスフリーで長く使いたいなら「シングルウィング」を選択肢に入れてもいいかと思います。

以上をまとめると、以下の表のようになります。銛先選びの参考にしてください!

形状名称耐久性ホールド力発射速度
パラライザー★★★★★★★★★★★★
チョッキ★★★★★★★★★★★★
シングルウィング★★★★★★★★★★★★★

ちなみに、おすすめは「チョッキ」ですが、まずは色々使ってみたい、という方には、以下のような初心者向けセットもおすすめできます。

魚突きスピアフィッシング用の銛のメンテナンスって必要?

魚突きスピアフィッシング用の銛のメンテナンスって必要?

メンテナンスってどうすればいい?やっぱりやらなきゃダメ?…という疑問もあるかもしれません。

結論から言うと、メンテナンスはやった方がいい、です。

最近のものは、ステンレス製等、比較的錆びにくいものも多く流通していますが、とはいえ金属ですので、魚突きスピアフィッシングから帰ってきたらすぐに真水で洗い流しておいた方がいいです。

特に、チョッキ銛はゴム等、金属よりも劣化しやすいパーツもありますので、よりしっかりと(できることなら現地で使用した直後に)洗い流しておくことをおすすめします。

また、水洗い以外にも、岩をついたりしてつぶれてしまった銛先は、しっかりとヤスリ掛けしておいた方がベターです。刺さりやすさが大きく変わります。

ヤスリは市販の金属用のもので十分ですが、もっと手軽にやりたい方には、グラインダーもおすすめです。

1万円ほどするので、魚突きスピアフィッシングにハマるまでは買わなくてOKですが、作業時間が大幅に短縮(数分程度で済む)されますので、、頻繁に通うようになるなら、持っておいた方がだいぶ楽です。

まとめ

悩んだときは、「2~3メートルのチョッキ銛」これで決まりです。

プラスアルファで、深く潜りたいときや、大物を狙いたいときなどは、銛の長さや発射速度を重視していけばOKです。参考になりましたらうれしいです('-'*)

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