オートミールとフルグラを混ぜる食べ方はアリ?メリットはあるの?
オートミールを調理するのが面倒だけどそのまま牛乳をかけてもおいしくない。フルグラと混ぜたらおいしくなる?
オートミールとフルグラを混ぜると栄養バランスやダイエットの効果はどうなるの?
オートミールとフルグラを混ぜるとコスト的にはどうなる?安くなったりしない?

オートミールには独特のクセがあるので、牛乳をかけるだけではあまりおいしく食べられません。では、オートミールとフルグラを混ぜて食べる方法はどうでしょうか?フルグラと混ぜることでおいしくならないのでしょうか?

また、オートミールはダイエットに良いといいますが、フルグラと混ぜると栄養的にはどうなるのでしょうか?ダイエット効果は下がるのでしょうか?

オートミールと市販のフルグラを混ぜるとメリットはあるのかどうか、味や食べやすさ、栄養、コストの3つの側面から検証してみましょう。

オートミールに市販のフルグラを混ぜると食べやすくなる?

オートミールに市販のフルグラを混ぜると食べやすくなる?

オートミールは原料のオーツ麦を蒸してからローラーで平たく伸ばした後に再び乾燥させて作ります。一度加熱してあるため、そのまま食べたり牛乳をかけたりするだけでも食べることは可能です。

しかし、オートミールは独特のクセがあるために、加熱調理したり一晩牛乳やヨーグルトに漬け込んだりして食べる方法が一般的で、フルグラなど他のシリアルのように牛乳をかけて食べるだけではあまりおいしくありません。

では、オートミールにフルグラを混ぜることで調理せずにそのままでもおいしく食べられるのでしょうか?

市販のフルグラがおいしい理由は?

市販のフルグラも主原料はオートミールですが、オートミールのクセはほとんど気になりませんよね。その理由は主に3つあります。

ひとつは、ライ麦粉、玄米粉、米粉、コーンの粉などで作ったパフを混ぜ合わせていること、2つ目はオートミールにこれらのパフを混ぜて香ばしくサクサクの食感に焼き上げてあること、そして3つ目がシロップで甘く味付けがされていることです。

さらにかぼちゃの種やドライフルーツを混ぜることで、味や食感にさらに変化が加えられています。

これらのバランスが非常に良いので、オートミールのクセがうまい具合にカバーされているのです。

オートミールに市販のフルグラを混ぜると食べやすくなる?

オートミールをそのまま食べると、粉っぽさや独特の風味あるためあまりおいしくありません。では、オートミールに市販のフルグラを混ぜると、オートミールのクセを軽減できるのでしょうか。

オートミールとフルグラの割合にもよりますが、オートミールにフルグラを混ぜると多少は食べやすくなるものの、オートミール本来の粉っぽさや独特のクセは残ります。特にオートミールの粉っぽさが気になる人が多いのではないでしょうか。

もともとオーバーナイトオーツが好きという人であれば市販のフルグラを混ぜることで食べやすくなるでしょうが、そうでない人は市販のフルグラを混ぜても食べにくさは残ってしまうでしょう。

オートミールのクセを消すには調理が不可欠

オートミールのクセ、特に粉っぽさを軽減させるには、やはり加熱調理は不可欠です。

オートミールとフルグラを混ぜる場合もフライパンやオーブンなどでオートミールを香ばしく焼くと、オートミールの粉っぽさやクセのある風味を感じにくくすることができます

作り方はとても簡単!フライパンでオートミールが軽く色付くまで5分程度炒るか、オーブンやオーブントースターの天板にオートミールを広げて香ばしく焼いてみましょう。

ひと手間かかりますが、おいしさは格段にアップします。ある程度の量のオートミールをまとめて焼いてストックしておくと食べたい時にすぐに食べられるので便利です。

オートミールとフルグラを混ぜると栄養価やダイエット効果はどうなる?

オートミールとフルグラを混ぜると栄養価やダイエット効果はどうなる?

オートミールは食物繊維やミネラルが豊富で、ダイエット効果や健康効果が高いとされている食材ですが、市販のフルグラと混ぜて食べると栄養的なメリットやダイエット効果はどうなるのでしょうか?

市販のフルグラとオートミールのカロリーを比較してみよう!

最初に、オートミール1食分のカロリーとカルビーのフルグラの1食分50gと三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)を比較してみましょう。

オートミール1食分(30g)フルグラ1食分(50g)
カロリー105kcal222kcal
たんぱく質4.1g3.6g
脂質1.7g8.0g
炭水化物20.7g36.1g
 糖質17.9g31.6g
 食物繊維2.8g4.5g

フルグラのカロリーはオートミールのカロリーの2倍以上あります。なぜフルグラのカロリーは高いのか、原材料を見てみましょう。

フルグラの原材料名

オーツ麦(オーストラリア又はフィンランド又はその他)、ライ麦粉、砂糖、小麦粉、乾燥果実(パパイヤ、レーズン、りんご、いちご)、ココナッツ、デキストリン、植物油、米粉、コーンフラワー、水溶性食物繊維、かぼちゃの種、アーモンドパウダー、食塩、小麦ふすま、玄米粉、フラクトオリゴ糖シロップ、乳糖/グリセリン、クエン酸鉄Na、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、加工デンプン、ナイアシン、パントテン酸Ca、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB1、葉酸、ビタミンD、ビタミンB12

原材料と見るとわかりますが、フルグラはシロップや油で味付けをしている上にドライフルーツも入っている分、糖質や脂質の量が多めです。

また、食物繊維はオートミールも豊富に含まれていることで有名ですが、フルグラ1食分の食物繊維量はオートミール1食分のなんと1.6倍!フルグラは、食物繊維を強化する目的で水溶性食物繊維が添加されているために食物繊維がオートミールより多いのです。

フルグラ1食分(50g)で1回の食事に必要な食物繊維(摂取目標量)の約7割が取れる計算になります。

フルグラとオートミールに含まれるビタミンとミネラルは?

では、ミネラルやビタミンはどうでしょうか。下の図は1食分のオートミールもしくはフルグラを食べた時に、1回の食事に必要な栄養素(1回の食事の摂取目標量)のどれくらいの割合が摂れるかについて示したグラフです。

フルグラとオートミールに含まれるビタミンとミネラルは?

オートミールは他の穀類よりも、鉄分をはじめ、マグネシウム、リン、亜鉛といったミネラルが豊富ですが、1食分ではそれぞれの栄養素の必要量は摂れません。

一方、カルビーのフルグラはオートミール以上に鉄分やビタミンが豊富で、1食分(50g)で鉄分およびビタミンA、ビタミンB群の必要量がほぼ摂れることがわかりますよね。これはフルグラは食物繊維と同じように鉄分やビタミン類も添加して補強してあるためです。

カルビーが”フルグラならワンボールで一汁三菜”とうたっているように、フルグラに牛乳をかけて食べることで、カルシウムも強化されて1食分でこれらの栄養素がバランスよく摂れるように作られています。

オートミールも食物繊維やミネラルがミネラルが豊富なのですが、やはり栄養を補強してあるフルグラにはどうしても負けてしまいますね。

フルグラとオートミールを混ぜるとカロリーや栄養価はどうなる?

では、オートミールにフルグラを混ぜると、栄養的にはどう変わるのでしょうか?

1食分のオートミールとフルグラをそれぞれ半分ずつ混ぜるケース(オートミール15g+フルグラ25g)および、フルグラ1食分の半分をオートミールに置き換えた場合のカロリーと三大栄養素を比較してみましょう。

オートミール
1食分(30g)
オートミール15g
+フルグラ25g
オートミール25g
+フルグラ25g
エネルギー105kcal164kcal199kcal
たんぱく質4.1g3.9g5.2g
脂質1.7g7.9g5.4g
炭水化物20.7g28.5g35.3g
 糖質17.9g24.8g30.7g
 食物繊維2.8g3.7g4.7g

オートミールにフルグラを混ぜるとカロリーは高くなりますが、食物繊維量はかなり増えることがわかりますよね。

では、ミネラルやビタミンはどうでしょうか。それぞれの栄養素が1食分の摂取必要量の何割くらいを摂れるのかを比較してみましょう。

フルグラとオートミールを混ぜるとカロリーや栄養価はどうなる?

オートミールにフルグラを混ぜると、鉄分とビタミンB群が少し増えることがわかりますよね。

一方で、フルグラに含まれるマグネシウムや亜鉛などのミネラルの量は公表されていませんが、オートミールとフルグラを混ぜると全体ではオートミールの割合が少なくなる分、マグネシウムや亜鉛などは逆に減ってしまうことが予測できます。

オートミールにフルグラを混ぜるとダイエット効果はどうなる?

オートミールにフルグラを混ぜる量が多ければ多いほどカロリーは増えてしまいます。

また、オートミールのβ-グルカンという水溶性食物繊維には、満腹中枢を刺激して食欲を抑える効果や脂肪を燃焼させる効果があることがわかっていますが、オートミールの割合が減るとこれらの効果も減ることが考えられます。

一方で、オートミールにフルグラを混ぜると水溶性食物繊維の量が増えるので、食物繊維による食後の血糖値の急上昇を抑えて脂肪の蓄積を抑える効果、腹持ちを良くする効果、余分な糖質や脂質を吸着して体外に排泄する効果などはアップする可能性があります。

このように、オートミールとフルグラを混ぜるとダイエットにマイナスになる要素とプラスになる要素の両方があるので、一概にはどちらとも言い切れないというのが正直なところです。

オートミールとフルグラを混ぜるとコスト的なメリットはある?

オートミールとフルグラを混ぜるとコスト的なメリットはある?

オートミールはダイエットや健康に良いシリアルですが、スーパーやドラッグストアなどで購入すると、それなりの値段はしますよね。では、オートミールとフルグラを混ぜて食べることで値段が安くなるなどコスト的なメリットはあるのでしょうか?

オートミールとフルグラを混ぜて食べるとコストは抑えらる?

オートミールを単独で食べる方法と、オートミールとフルグラを混ぜて食べる方法とでは、どちらの方が値段が安くなるのかをケロッグの『オートミール』と日食の『プレミアムピュアオートミール』で比較してみましょう。

オートミール
40g
オートミール30g
+フルグラ10g
オートミール20g
+フルグラ20g
オートミール10g
+フルグラ30g
ケロッグ 
オートミール
43.4円39.7円38.9円38.1円
日食 プレミアム
ピュアオートミール
44.1円42.8円40.9円39.1円

※『ケロッグ オートミール』は330g入りで358円(2024年4月時点のイオン価格)、『日食 プレミアムピュアオートミール』は340gで375円(ライフ)、『カルビー フルグラ』は750g入りで699円(イオン)で計算

オートミールもフルグラもスーパーで購入する場合は、オートミール40gを単独で食べる場合の価格とオートミールとフルグラを混ぜた場合の価格ではそれほど大きな差はありません

さらに、オートミールやフルグラの価格は販売店によってかなり差があるため、オートミール単独で食べる場合とオートミールとフルグラを混ぜる場合とでは、どちらが安くなるかは一概には言い切れませんね。

ただし、『カルビー フルグラ』の大容量サイズは割安で販売されていることが多いため、大容量サイズを安価で購入してフルグラを混ぜる割合を増やせば、コストは抑えられる可能性があります。

ケロッグ オートミール 330g
日本ケロッグ

格安オートミールを利用してフルグラのコストを抑える方法はあり!

逆に、日常的にフルグラを食べていてコストがけっこうかかると感じているならば、業務スーパーやコストコで購入できる格安のオートミールを利用して、フルグラのコストを抑える方法もあります。

商品名価格100gあたりの価格
業務スーパー 『Oat Flakes(ラトビア産)』 500g148円29.6円
業務スーパー 『本格オートミール(カナダ産)』 1kg537円53.7円
コストコ 『クエーカー オートミールオールドファッション』 5.52kg2,898円64.1円

フルグラと格安オートミールを混ぜてフルグラの一部を格安オートミールに置き換えることで、コストがどれくらい変わるかを比較してみましょう。

フルグラ
1食分50g
フルグラ40g
+オートミール10g
フルグラ30g
+オートミール20g
フルグラ25g
+オートミール25g
カルビー 
『フルグラ』
46.6円
業務スーパー 
『Oat Flakes』
40.2円33.9円30.7円
業務スーパー 
『本格オートミール』 
42.7円38.7円36.7円
コストコ 
『クエーカー
オートミール
オールドファッション』 
43.7円40.8円39.3円

1食分のフルグラのうち10gを格安オートミールに置き換えるだけでも3~6円、20gを置き換えると6~13円、フルグラと格安オートミールを半々で混ぜると約16~23円もコストダウンになります。このコスト的なメリットはかなり大きいですよね。

格安オートミールをフルグラに混ぜてコストダウンを図りたい場合も、オートミールをそのまま混ぜると食べづらいので、香ばしく焼いてから混ぜる方法がおすすめです。甘さが物足りなければ砂糖やはちみつを少し足してもよいですね。

まとめ:オートミールと市販のフルグラを混ぜるメリットは意外に少ない

オートミールは加工段階で一度蒸してあるため、そのままでも食べられないことはありません。しかし、そのまま牛乳をかけて食べてもオートミールの粉っぽさやクセのある風味がダイレクトに出てしまうので、あまりおいしいとは言えません。

オートミールと市販のフルグラを混ぜてから牛乳をかけて食べると、オートミールを単独で食べるよりも多少は食べやすくなりますが、オートミールの粉っぽさやクセはそのまま残ってしまいます。

また、栄養面や増える栄養素と減る栄養素の両方があり、ダイエット効果にも一長一短があります。コスト面でのメリットが少ないことも考え合わせると、いくら調理の手間がかからないとは言え、オートミールと市販のフルグラと混ぜて食べるメリットが大きいとは言えませんよね。

やはり、オートミールは加熱調理をして食べた方がおいしく食べられるのでおすすめです。

おすすめの記事