そんな疑問に答えます。
本記事を読めば、尿酸値を下げるためによいとされる運動/筋トレの程度が分かります。
筆者は、過去に尿酸値が8を超えて、必死に対策を続け、半年ほどで7以下まで下げた経験があります。
腎臓内科の医師をしている友人からもらったアドバイスなども併せて、解説していきたいと思います。
Contents
尿酸値を下げる運動と筋トレのやり方
尿酸値を下げる運動とは?
負荷の大きくない体重を落とせる運動が好ましいとされています。
というのも、尿酸値を下げるために運動をするのは、体内に蓄積されるカロリー量を減らし、標準体重を維持するためだからです。
体重が増加すると、それに伴い体内の中性脂肪も増加することが多いのですが、この中性脂肪が尿酸値上昇に非常に悪影響をもたらすことになります。
中性脂肪の原料となる脂肪酸は肝臓で合成されるのですが、肝臓ではそれと同時に尿酸の原料である「プリン体」の合成も行っているため、中性脂肪が増える=プリン体の合成も促進される、その結果、プリン体がさらに分解されてできる尿酸量も増えてしまう、というメカニズムだと言われています。
ですので、体内で中性脂肪が増えないような体づくり(=標準体重を維持できるような食生活&適度な運動)を行うことが、尿酸値を下げるために効果的だと言えます。
ちなみに、尿酸値上昇を抑えるために維持したい体型の目安として、BMI25未満、腹囲:男性85cm、女性90cmと言われています。
運動で気を付けた方がよいこと
運動の中でも特に「有酸素運動」を中心として行うこと、水分補給をしっかりとすること、の2点です。
というのも、通常、運動を行うためのエネルギーは、「ATP(アデノシン三リン酸)」とよばれる物質が体内で「ADP(アデノシン二リン酸)」に分解される際に生み出されるもので、通常時であればこのADPは再度体内で合成されてATPに戻るので問題がないのですが、無酸素運動(負荷の大きい筋トレ等)を行うとATPの再合成が間に合わず、結果として余剰となった「プリン体(元々はATP、ADPに含まれる)」が分離・発生してしまうことになります。
このプリン体がさらに分解されると「尿酸」になりますので、結果として、無酸素運動=尿酸値を高めることになってしまいます。
また、水分補給の点については、脱水症状の防止だけではなく、尿酸値を下げるために不要な尿酸を尿により体外に排出する際に、水分が必要となるからです。目安として毎日2L以上の水分摂取が望ましいと言われています。
無酸素運動も取り入れたい場合のコツ
無酸素運動(特に筋トレ)を低負荷で行えばOKです。
例えば、スクワットを低負荷で行うのであれば、腰を下まで下げ切らない中腰の状態までとする「ハーフスクワット」であれば有酸素運動となります。
また、ダンベルを使うのであれば、無理をせずに100回以上続けられる程度の軽めの重量での筋トレであればこれも有酸素運動となります。
腹筋を鍛えたいのであれば通常の寝転がっての腹筋ではなく、立った状態で腕を頭の後ろで組み、右ひじと左足、左ひじと右足、を交互にくっつける形の捻り運動であれば有酸素運動になるといわれています。
あとは、市販のブルブルマシン系の器具も、腹筋・体幹と鍛えられるので結構おすすめです。確かに3か月ほど実際に続けると腰回りが締まりますね(筆者の経験です)。ただ、初期投資が少し高いので、器具に頼らずとも運動を続けられる方には不要かもしれません。
運動+食生活で尿酸値を効果的に下げる
お酢や乳製品で尿酸値を下げる
運動を取り入れるだけでも尿酸値対策にはなりますが、手軽に行える食生活改善を行うことで、より効果的に尿酸値を下げることが可能です。
例えば、お酢やヨーグルト、チーズ、牛乳といった食品は、適量(お酢であれば20~30ml、牛乳であればコップ1杯程度)の摂取を続けることで、尿酸を尿により排出することを助ける効果があるといわれています。
その他にも、昆布・ワカメといった海藻類や、ニンジン、大根、ゴボウといった根菜類は体をアルカリ性に変えてくれる性質があるため、これもまた尿酸の体外排出を手助けしてくれます(尿がアルカリ化すると、尿酸が尿に溶けやすくなるからです)。
摂取した方がいいタイミングや詳しい効果などは以下の記事も参考にしてください。
尿酸の生成を抑えて尿酸値を下げる
これは主に「プリン体」の摂取を控える方法です。
先ほども少し解説をしていましたが、プリン体は肝臓で分解されると尿酸となるため、できる範囲で摂取は控えた方がいいです。
ただ、誤解をしてはいけないのは、プリン体の7~8割は食事からの摂取ではなく、体内での生成です。ですので、プリン体の摂取を控えることも大切ですが、どちらかと言えば、お酢や乳製品、野菜等で尿酸を排出する対策をした方が、尿酸値を下げるという点では、より効果的だということは念頭に置いておいた方がいいです。
食品ごと、食べ物のジャンルごとのプリン体含有量を知りたい、という方は以下の記事を参考にしてください。
尿酸値対策として運動を続けるために
続けるためには、本当に無理をしないことが重要です。
最初は気乗りしてやっていても、それがやらなければならない、と感じるようになってしまうと途端に辛くなり、1日、また1日とやらないようになり、最終的には止めてしまうことにもなりかねません。
続けるコツは、最初から自分をあまり追い込みすぎないことです。週に1~2回だけやるところから始める、等であれば長く続けやすいので、長期的に見れば尿酸値にも体にも絶対にプラスになります。ぜひ、ご自身のペースで頑張ってみてください。
本記事が、少しでも、同じお悩みをお持ちの方々の参考になりましたら幸いです('-'*)