尿酸値と腎臓病の関係は?尿酸値が引き起こす病気と対策について解説
尿酸値が高いと腎臓病になるって本当?尿酸値が影響する病気は他にもあるの?対策方法があれば知りたい。

そんな疑問に答えます。

本記事を読めば、尿酸値が体に与える悪影響(病気)の種類と、その対策方法が分かります。

筆者は、過去に尿酸値が8を超えてしまい、それが原因で指定難病といわれる合併症を発症したことがあります。


1年に渡り、2ヶ月周期で3度の入院治療を重ね、なんとか経過観察まで漕ぎつけましたが、もっと早く気を付けるべきだったと、なった後で後悔をした経験があります。

そんな経験を踏まえ、知人の内科医にも相談をさせて頂きながら記事にまとめましたのでご紹介をさせて頂きます。

尿酸値と腎臓病の関係は?

尿酸値と腎臓病の関係は?

なぜ尿酸値が体に悪影響を与えるのか

腎臓病との関係をご説明する前に、まずは尿酸がどういう流れで生成されるもので、尿酸値が高くなるのはなぜなのか、という仕組みを理解する必要があります。


尿酸は、端的に言うと、体から排出するべき老廃物です。体の生命活動に必要なプリン体(食事により摂取する場合(全体の2~3割)と、体内で生成される場合(全体の7~8割)がある)が肝臓で分解されると、尿酸となり、通常は尿により体外に排出されます。

ですが、尿酸は体内(血液中)にため込んでおける量(7.0mg/dl)と、排出できる量は一定で決まっているため、それ以上の量の尿酸が生成されてしまうと、体内(血液中)にため込めず、また体外への排出が間に合わずにあふれ出てしまう状態となります。これが「高尿酸血症」と呼ばれる状態です。


あふれ出てしまっている尿酸は、血液中に溶け出すことができないために、結晶化(ナトリウム、塩)してしまう場合があります。この結晶が体内のどこにできるか、によってどういった病気が発症するか、が変わってくるということですね。

尿酸値がもたらす様々な病気

「高尿酸血症」がもたらす病気は、大きく分けて2つのカテゴリのものがあります。


1つは「尿酸の結晶(塩)の沈着による病気」、もう1つは「合併症」と言われるものです。


「尿酸の結晶(塩)の沈着による病気」は、高尿酸血症が直接的にもたらす病気で、痛風、尿路結石、腎機能低下等が挙げられます。

関節や皮下組織で結晶が沈着すると痛風、尿管・膀胱・尿道で結晶が沈着してしまうと尿路結石、腎臓で沈着すると腎機能の低下(悪化すると腎不全)、となります。

そこからさらに派生してしまうのが「合併症」で、慢性腎臓病、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧、脳卒中、心臓病、と病気の程度がかなり大きくなっていきます。

腎臓病が悪化して、人工透析が必要なステージまで達してしまうと、週に1回4時間ほどの治療を週に3回程度受けに病院に通わなければならない状況に陥ってしまいます。

腎臓病対策!尿酸値を下げるためにするべきこと

腎臓病対策!尿酸値を下げるためにするべきこと

腎臓病等を避けるため尿酸を体外に排出する

尿酸値を下げるためには、より多くの尿酸を体外に排出することが重要です。


そのためには、日常の食生活に尿酸の排出を促進してくれる食べ物を取り入れていくことが大切になります。

代表的なものだと、お酢に含まれる「クエン酸・核酸」、ヨーグルト・牛乳等の乳製品に含まれる「カゼイン(乳タンパク質)」、コーヒーに含まれる「ポリフェノール、カフェイン」などが挙げられます。

以下の記事でそれぞれ詳しく解説していますので、ご興味のあるもの、続けられそうなものがありましたらご覧いただければと思います(案外、最近のお酢は飲みやすくて美味しいですよ)。

あとは、こちらでは解説をしていませんが、海藻類や根菜類(ニンジン、ゴボウ、等)も尿をアルカリ化してくれるので、尿酸がより多く尿に溶けることを手助けしてくれる食品ですよ。

腎臓病等を避けるため尿酸の生成を抑える

尿酸値を下げるためには、尿酸の生成量を抑えることも重要です。


そのためには、尿酸を生成する素となる「プリン体」の摂取を控えることが大切です。ただ、厳密にいうと、プリン体は体外からの摂取分は全体の2~3割程度(それ以外は体内で生成されます)ですので、摂取を控えることはもちろん大切なのですが、近年の研究では、プリン体の摂取を控えること、よりも、生成された尿酸をより多く体外に排出する対策の方が重要だという見方が強くなってきています。

ちなみに、プリン体はどういう食品に多いかご存じですか?

「イクラ」と答えた方はハズレです(笑)ビールもプリン体の量自体は少ないです(アルコールが尿酸の生成を促進させてしまうので、良くないだけです)。そういった、食品別のプリン体量についても以下の記事でまとめていますので、気になる方はこちらもご連頂ければと思います。

尿酸値対策・腎臓病対策は根気強さが必要

尿酸値対策・腎臓病対策は根気強さが必要

尿酸値は対策をしてすぐに結果がついてくるものではありません。


筆者の場合、毎朝のヨーグルト(プレーンヨーグルトにシリアルやジャム等で少し味付け)を習慣にし、日中の仕事中は無糖のコーヒー牛乳(2~3杯程度)、夜は絶対に野菜サラダ、日に2L程の水分は必ず摂る+週に数回程度のお酢(水割り)を習慣にしていたところ、最初8を超えていた尿酸値が、半年後の健診では「7を切る」までに改善させることができました。


半年続けるのは決して楽ではないですが、人工透析になってしまう怖さ等を考えると、早め早めに取り組んでいくことは本当に大事です。

また、もう一点だけ補足をすると、尿酸値が基準値(7.0mg/dl)より下であっても、決して尿酸値に関連する病気が発症しない、という訳ではありません。あくまで、確率として発症する率を下げることができる、というだけです。

尿酸値と痛風の関係

  (引用元:株式会社三和化学研究所)

上記は痛風の点についてのみのデータとなっていますが、基準値以下の方と比べ、基準値を超えると痛風発症リスクが3倍以上に高まるというデータが出ています。

8.0mg/dl、9.0mg/dlという数値を超えると、さらに加速度的に発症率は高まるようです。このデータから見ても、少しでも尿酸値を下げておくことが重要だということが分かりますね。

本記事が、同じお悩みをお持ちの方々にとって、少しでも参考になりましたら幸いです('-'*)

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